コヒーレントラマン顕微鏡システム
「マウス組織に投与した低分子化合物の濃度分布測定に成功」― 生体への薬剤作用機構解明へ新たな手法 ― 低分子化合物(小分子)の濃度分布及び小分子観察を、蛍光物質を用いないで、組織内でそのまま測定する新しい方法を開発し、薬剤が生体組織内で局所的に存在する様子を測定する方法への道が開かれました。将来的に、薬剤の作用機構の解明と新しい治療薬開発への応用が期待できます。
【装置の特徴】
1.装置調整頻度—————-連続無調整
2.電源オン後の測定可能時間—–即時測定可能
3.設置後初回測定調整所要時間—2時間以下
4.ダイレクト測定————–蛍光物質を用いない測定
5.小スペース、低価格化——–フェムト秒レーザー1台で構成(※分散補償光学系)
【本技術が活用出来る試料及びサンプル】
1.非破壊・非接触測定
2.分子構造の特定
3.試料の深さ方向の画像及び分布測定
4.大気中常温で水分を含む試料
5.植物、昆虫、魚類、など測定。(※測定物によっては計測出来ない物も御座います)
※有償サンプル計測サービスを行っておりますので、よろしくお願い致します。
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広帯域・高分解能スペクトルを一括で測定
分子構造の違いが大きく反映される指紋領域を一括で測定できます。 また、分子ごとのスペクトル形状を明確に識別できる波数分解能を持っており、詳細な振動モード分析が可能です。
麻酔薬は比較的小さな分子構造をしているため、従来の蛍光ラベル法のように指標となる分子を付加することが困難な分子です。コヒーレントラマン顕微鏡であれば、分子自身が持っている振動情報を指標とするため、前処理せずにそのような小分子を測定することができます。 また、ラベルを付加することで特性が変化してしまうような分子に対しても有効な測定方法です。
一般的に生体試料中には水分子が多く含まれているため、水分子の背景信号による画像のコントラスト低下が生じてしまいます。本装置では時間分解法を応用して、振動の緩和がはやい水分子の信号を選択的に除去することで、画像コントラストを向上させています。
顕微鏡の電動3軸ステージにより1次元、2次元、3次元のスキャン測定が可能です。 また、付属のジョグスティックによる直感的な操作ができます。
本装置では、コヒーレントラマン測定の一種であるコヒーレントアンチストークスラマン散乱(CARS)測定を採用しています。 従来の自発ラマン測定に比べると、この手法では、原理的に焦点付近のごく限られた領域からしか信号が得られないため、特に奥行き方向の空間分解能が向上します。
作動距離の長い対物レンズを採用したことで、厚みのある試料の測定が可能です。最大で10mm程度の厚さにまで対応できます。